古民家には見えなかった古民家
静岡県三保市、海辺の景勝地である三保の松原まで程近くという立地に佇んでいた築80年の古民家。
売却活動をしていましたが、中々売れずに「解体して更地」で土地売却する予定のところでご相談を受けたことで鎌倉への移築再生へとつながったそうです。
偶然にも海に程近いということろは似た環境でした。
増築やリフォームを重ねた古民家だった為、外観からは古民家とは思えない状況で、在来工法の建物に見えていました。
ちゃんと残っていた古民家らしさ
室内へ入ると立派な「梁」や「差鴨居」魅力的な「古建具」などがあり、コンディションも良い古民家でした。
それらを活かすため、新材と共に構造に組み込んでいます。
構造材と古建具を活かした空間づくり
移築計画は、全4世帯の長屋住宅。
およそ60坪の古民家の材を活かして2住戸へ(1住戸およそ80平米)梁や大黒柱、差鴨居などを構造に組み込んだ、移築再生です。
移築先では「新築住宅」です。古民家の材の特徴活かすことを重視しつつ、「新築住宅」の間取りに合わせて難しい手きざみ加工を施し、古民家の材を新材と組み合わせています。
コンパクトな設計ですが、うまく古民家の材を取り込んで設計された空間が完成しました。
古材は丁寧な塗装が施され、新材とのコントラストが協調されています。
新旧の材が年月を経て馴染んでいく変化も楽しめそうです。
こだわりは床暖房のいらない無垢の床
新築住宅ですから耐震は現行基準法に準拠した計画となっており「フラット35S」の基準を満たしています。
設備は、最新の設備を整え断熱もしっかりと行われています。
特に床材は杉の無垢材30mmを採用し床暖房なしでも快適で居心地の良い空間が生まれました。
Information
所在地 :神奈川県鎌倉市