「民話の里」の古民家
岩手県の柳田國男の遠野物語で知られる地域に、北側が河川、南側が田圃の河岸に建てられた一軒。築はおよそ100年前後。
川崎市で教員をしながら休日に、日本民家園で南部曲がり屋の解説者をボランティアでしている方から、定年後は故郷の遠野に帰り、ゲストハウスとして古民家を建てて友人を招きたいと相談があったのがきっかけでマッチング。
南部曲がり屋が多い中、大家族の多かった時代にしては建坪が小さいですが、その分ゲストハウスとして移築するには手頃なサイズでした。
移築できるギリギリ
古民家とは別棟で暮らしており、屋根の茅が朽ちて雨漏りして床が抜け落ちていました。柱は下部が腐って再利用出来ないほど。
本当に、移築できるギリギリだったそうです。
外観や間取りは、ほぼ移築前と同じ
柱は新材。雨漏りして腐れている屋根、桁材をストックしている古材で代用。
外回りの柱は新柱に古柱を引割り取付けて古材に見えるように。
石場建では確認申請を取れないとの事でコンクリート基礎を採用していますが洗い出し仕上げとすることで石風に見せ、外壁は窯業系サイディングに土壁風仕上げ。内壁は石膏ボードに漆喰仕上げと、古民家らしさが失われない工夫を凝らされています。
快適に過ごせるように
床、壁に押出発泡ポリスチレンの断熱材使用し、断熱性をアップ。
増築されていた移築前の水回りは、トイレや湯沸室を建物内に取込んでいます。
ゲストハウスとして快適に利用出来るよう、調えられています。
囲炉裏を囲んで、ゲストの話が弾みそうです。
Information
所在地 :岩手県遠野市