古民家移築販売サイト 結

移築事例

島根県雲南市
- Unnan -

情熱的なご夫婦に受け継がれた蔵

島根県の、山間の過疎の進む集落の奥にあり、狭く曲がりくねった登道の行き止まりにたたずむ旧家が所有していた築270年の蔵。
30年近く住み手が不在で軒先瓦は落下、しっくい壁も剥離し傷んでおり、鍵も壊され盗難にあっているという状況でした。

活用方法を検討していた時、骨董や古布、民具など古い物の価値を見いだし保存したい情熱的なご夫婦と巡り合い、自宅横の宅地への移築を勧めたことで移築が決まりました。

力強い構造が魅力

2間半×5間の蔵の大空間を活かし吹き抜け部分を設け、15寸角の棟持ち柱を強調しています。

 
 
1階壁板は既存のまま番付けをし再利用、腰壁は柱の根継ぎを隠すために蔵内に保存してあった板材を加工して取り付けられました。

蔵らしさをさらに加える

大きな庇屋根で入り口を強調し、外観は腰板鎧張り下見板としっくい壁でコントラストを取っています。
2階窓には古い鉄格子を施し蔵らしさを演出。

 
 
1階の囲炉裏を囲む大空間は座った状態で腰窓より外庭が望めるよう工夫し、上部2階床板を取り払い開放的に。
囲炉裏を囲むテーブル材などもすべて保存品を加工し製作されました。
 
訪れる人が趣味の骨董と音楽、お茶を楽しめる空間となっています。

 
 
2階は古布のパッチワーク工房で、居間が見下ろせるキャットウォークが。

調えられた構造と断熱性

外周部は構造用合板で耐震性を確保、土台と桁間の横架材間距離オーバーを解消するため2階梁を設け、火打ち梁を新設しています。

 
 
床下、壁内、屋根化粧板外側に断熱材を取り入れられました。
冬も薪ストーブと囲炉裏で快適です。

ちりばめられた古き佳きカタチ

すでに収集されていた蔵戸は入り口横の目隠し壁に、欄間はキャットウォークの手摺に組み込まれている他、照明器具・手洗器・カラン・ガラスに至るまで時代の古さを感じられるものを集められています。
 
施主と移築チームで楽しみながら集めたというエピソードが素敵です。

Information

所在地 :島根県雲南市